法人向け(法人名義)自動車保険とは|フリート契約とノンフリート契約の違いも解説
日頃、テレビCMなどで目にするのは、ほとんどが個人向け自動車保険に関する情報です。会社などの法人が事業で使用する車を対象とした法人向け自動車保険は、個人向け自動車保険とは異なった特徴があります。そこで、法人向け自動車保険の概要を紹介した上で、メリット・デメリットについても触れていきます。
日頃、テレビCMなどで目にするのは、ほとんどが個人向け自動車保険に関する情報です。会社などの法人が事業で使用する車を対象とした法人向け自動車保険は、個人向け自動車保険とは異なった特徴があります。そこで、法人向け自動車保険の概要を紹介した上で、メリット・デメリットについても触れていきます。
法人向け(法人名義)自動車保険の特徴
「法人向け(法人名義)自動車保険」は、会社などの法人が、業務上使用する自動車のための保険です。
自動車保険に関する名義には、保険に加入する「契約者」、最もよく運転する「記名被保険者」、車検証に記載された所有者・使用者である「車両所有者」の3つがあります。個人向け自動車保険は、この3つの名義が異なっている場合でも、保険契約を締結することができます。
これに対して、法人向け自動車保険は、この3つが同一の法人でなければ、原則として契約することができないのが特徴です。ただし、リース車両の場合には、他社が車両所有者の場合であっても、法人向け自動車保険に加入することが可能です。
法人向け自動車保険の補償内容
個人向け自動車保険と法人向け自動車保険では、補償の範囲が大きく異なります。個人向け自動車保険は、個人である記名被保険者が補償の中心となり、特約で「本人限定」「夫婦限定」「家族限定」といった形で、補償の対象となる運転者の範囲を設定することができます。一方、法人向け自動車保険の場合は、記名被保険者は会社などの「法人」で、補償範囲は「法人の従業員」となります。
また、法人向け自動車保険の補償内容は、対人賠償責任、対物賠償責任、人身傷害保険、車両保険の4つが基本補償となっています。
法人向け自動車保険固有の特約がある
個人向け自動車保険とは異なり、法人向け自動車保険には、固有の特約が設けられています。
- ・搭乗者傷害事業主費用特約…役員や従業員が搭乗中の事故によって、けが、または死亡したときに、事業主が負担した香典や事故現場の復旧費用などの臨時費用を補償
- ・対人賠償使用人災害特約…業務中の従業員にけがをさせた場合に補償
- ・対物賠償非所有管理財物特約…取引先など他人から借りて、管理中の建物のなどの財物を壊した場合の損害を補償
- ・運送業者受託貨物賠償責任補償特約…運送業や運輸業を対象に、荷主から預かった貨物に対する損害、荷役作業において発生した対人賠償や対物賠償を補償
- ・事業用積載動産補償特約…運送業や運輸業を対象に、車に積んでいる商品、什器、備品などの損害を補償
- ・企業・団体見舞費用特約…事故を起こした相手への見舞金や葬儀参列のための費用を補償
契約台数によって割引がある! フリート契約とノンフリート契約の違い
法人向け自動車保険は、契約台数によって、「フリート契約」と「ノンフリート契約」という区分があり、保険会社によっては「ミニフリート契約」という契約形態も設けられています。
| フリート契約 | ノンフリート契約 | ミニフリート契約 | |
|---|---|---|---|
| 総契約台数 | 10台以上 | 9台以下 | 2~9台以下 |
| 契約 | 1枚の保険証券 | 自動車1台ずつ | 1枚の保険証券 |
| 割引率の適用 | 保険契約者ごと | 自動車1台ずつ | 保険契約者ごと |
フリート契約
「フリート契約」は、10台以上の車を所有する場合の契約形態で、「全車両一括付保特約」を付けると、1枚の保険証券にまとめられます。一定期間の損害率に応じて、全ての車に同じ割引率が適用されるのが特徴です。
フリート契約は、等級による割引率が大きいことがメリットですが、1台が事故を起こして保険を使うと、全ての車の保険料が上がってしまうことがデメリットです。
ノンフリート契約
「ノンフリート契約」は、9台以下の車を所有する場合の契約形態です。個人向け自動車保険と同様、1台ごとに契約を結び、保険料の割引率は1台ごとに設定されます。
ノンフリート契約は、1台が事故を起こして保険を使ったとしても、他の車の保険料には影響しないことがメリットです。一方、フリート契約に比べて割引率が低いことがデメリットであり、1台ごとに保険契約を締結するため、管理の手間もかかります。
ミニフリート契約
ミニフリート契約は、2~9台以下の車を所有する場合に、選択することが可能です。割引率は、ノンフリート契約と同様に適用されますが、1枚の保険証券での管理となり、台数に応じた割引が受けられます。
ミニフリート契約は、1台ごとに補償内容を決められ、台数に応じた割引がある点がメリットです。ミニフリート契約には、大きなデメリットはありません。ただし、これまでノンフリート契約で車ごとに保険料の支払い時期が分かれていたケースでは、まとまった保険料を一度に支払うことがデメリットになることもあります。
法人向け自動車保険のメリット
法人向け自動車保険には、次に挙げるメリットがあります。
- ・フリート契約の割引率は大きい
- ・法人向けだけの特 約がある
- ・節税対策になる
- ・個人向け自動車保険が契約できない車も入れる
- ・個人向け保険の等級を引き継ぐことができる(ノンフリート契約)
フリート契約の割引率は大きい
10台以上の車を所有している場合は、フリート契約になるため、割引率が大きいことがメリットです。フリート契約の等級による割引率は、保険会社によって異なりますが、無事故の場合には最大で70%~80%になるといったケースがあります。
法人向けだけの特約がある
法人向け自動車保険の補償内容は、個人向け自動車保険と比べてみても、大きくは変わりません。しかし、法人向け自動車保険は、業務上の事故に関する特約など、事業を運営していく上で必要な特約が設けられていることがメリットです。
例えば、「対人賠償使用人災害特約」を付けていれば、通常の対人賠償では適用外となる、業務中の従業員のけがに対する補償が受けられます。また、運送業を営んでいる場合は、「事業用積載動産補償特約」を付けていると、車に積んでいる商品、什器、備品などの損害が補償されます。
自社の事業にあった特約を盛り込むことで、大きな損害が発生するリスクを避けることができます。
節税対策になる
自動車保険を法人契約することで、保険料を必要経費として計上できるため、節税対策になることもメリットとして挙げられます。多くの台数を所有し、高額な保険料を支払っている大規模な会社ほど、必要経費としての控除額も大きくなります。
個人向け自動車保険が契約できない車も入れる
個人向け自動車保険では契約できない使用目的の場合でも、法人向け自動車保険なら加入できることもメリットです。
個人向け自動車保険は、車の使用目的が日常レジャー、通勤通学、業務に限られています。ここでいう業務とは、取引先への移動手段などの利用を指します。例えば、タクシーのように客を乗せて運賃をもらったり、配送トラックのように荷物を運んで送料をもらったりするなど、車での移動によって直接利益が生まれるといったケースは、個人向け自動車保険では契約の対象外です。
法人向け自動車保険は、こうしたタクシーやトラックでも、契約を結ぶことが可能です。
個人向け保険の等級を引き継ぐことができる(ノンフリート契約)
個人事業主として、個人契約で自動車保険に入っている場合は、一定の条件を満たしていれば、等級を維持して、法人向け自動車保険に加入することができます。20等級程度になっている場合には、高い割引率を生かせることがメリットです。
個人名義から法人名義に等級を引き継げるのは、個人事業主から法人化するといったケースで、主に以下の条件があります。
- ・ノンフリート契約またはミニフリート契約であること
- ・法人の設立前から所有している
- ・個人事業と法人の事業内容が同一である
法人向け自動車保険のデメリット
一方、法人向け自動車保険には、次に挙げるデメリットもあります。
- ・個人向けよりも保険料が高い
- ・フリート契約だと1台事故を起こすと契約車全体の等級を下げる
- ・補償内容を個人ほど自由に選べない
個人向けよりも保険料が高い
法人向け自動車保険の保険料の補償される範囲は「契約する法人の従業員まで」と、個人向けに比べて幅広いことから、割引率を考慮せずに比較すると、個人契約よりも割高です。
一般的に、自動車保険の保険料は、「代理店型」よりも、ネットなどから申し込む「ダイレクト型」の方が割安です。しかし、法人向け自動車保険は、ダイレクト型が少なく、基本的に代理店での申し込みとなることも保険料が高い理由となります。
フリート契約だと1台事故を起こすと契約車全体の等級を下げる
個人契約における一般的なノンフリート契約では、事故を起こして保険を使うと、その車の保険は3等級下がります。しかし、車を2台所有している場合、もう1台の方の保険料には影響しません。
一方、法人契約でフリート契約の場合は、等級がなく、割引率は一定期間の損害率によって決定します。そのため、1台だけが事故を起こして保険を使ったとしても、所有する全ての車の割引率が下がってしまうといった点がデメリットとして挙げられます。例えば、30台の車を所有している場合、30台の車すべての保険料の割引率が下がることから、保険料が大幅に上がる可能性があります。
補償内容を個人ほど自由に選べない
法人向け自動車保険は、個人向け自動車保険ほど、商品の選択肢がありません。一般的に、法人向け自動車保険は、基本的な補償内容が決まっていて、個人向け自動車保険よりも自由に決めることができないこともデメリットであるといえます。
また、法人向け自動車保険には、「リスク細分化割引」といわれる使用目的による割引や、「ゴールド免許割引」は適用されません。運転者の年齢条件による割引も、個人向け自動車保険では「35歳以上限定」の年齢枠があるのに対して、法人向け自動車保険は「30歳以上限定」が最高の年齢枠となり、保険料面では不利になってしまいます。
法人向け自動車保険を個人向け契約のように使うこともできる
法人向け自動車保険は、原則として、契約者と記名被保険者、車両所有者が同じ法人の名義でなければ加入できません。しかし、記名被保険者が法人の場合、特約で法人の代表の個人名を個人被保険者や指定運転者として設定することで、配偶者などの家族が乗車中の事故にも備えることができます。また、契約内容にもよりますが、一部の補償は、契約の車に乗車中以外の事故にも適用されます。
法人の代表の個人名を個人被保険者として設定すると、中小企業などの代表や家族が業務外のプライベートで社用車を使用する際にも、個人向け契約のように利用できるので便利です。
ただし、注意点として、記名被保険者を一度個人にして契約してしまうと、法人に戻すことは契約の見直しになるので、個人被保険者や指定運転者の設定をやめる場合には、契約の変更の手続きが必要なため、注意が必要です。
法人契約は個人の自動車保険と違いダイレクト型ではなく保険代理店が主
個人向け自動車保険は、多くの「ダイレクト型」の保険会社が取り扱っていて、ネットなどからの申し込みが可能です。しかし、法人向け自動車保険を扱うダイレクト型の保険会社は限られている上、電話での問い合わせや申し込みが必要です。法人契約の自動車保険は、保険代理店を通じて申し込む「代理店型」の保険会社が主流となっています。
法人向け自動車保険を検討する際には、数社に見積もりを依頼し、信頼できる保険会社を選ぶのがおすすめです。しかし、いくつもの保険代理店に見積もりを依頼するのは、手間がかかります。そこで、一括で見積もりを依頼できるサービスの利用がおすすめです。
「保険スクエアbang! 自動車保険 法人」なら、法人向け自動車保険を取り扱う保険会社に、一括で見積もり依頼ができるので便利です。
まとめ
法人向け自動車保険は、事業に応じた特約を付けることで、必要な補償をカバーし、万が一の業務上の事故に備えることができます。法人向け自動車保険の基本的な補償内容は、保険会社によってそれほど大きくは変わりませんが、保険料や用意されている特約にはそれぞれ違いがあります。一括見積もりを利用して、自社に合った自動車保険を選びましょう。
※上記は概要を説明したものです。引受保険会社により、商品名や補償内容等は異なりますので、ご契約にあたっては必ず「各社商品パンフレット」および「重要事項のご説明・契約概要のご説明・注意喚起情報のご説明」をあわせてご覧ください。
また、詳しくは「ご契約のしおり(普通保険約款・特約)」等をご用意していますので、取扱代理店または引受保険会社までご請求ください。ご不明な点につきましては、取扱代理店または引受保険会社までお問合わせください。





