自動車保険(任意保険、自賠責保険)を解約(途中解約)するときの注意点
自動車保険の解約(途中解約)をするタイミングには、大きく分けて「保険期間中に他の自動車保険に乗り換える」「所有した自動車を手放す」の2つがあります。このページでは、自動車保険の解約方法に加えて、「保険期間中に他の自動車保険に乗り換える」「所有した自動車を手放す」、それぞれのケースでの注意点を詳しく解説しています。特に乗り換えの際の解約には経済的なデメリットが発生しがちなので、しっかりと理解しておきましょう。
自動車保険の解約とは、解約をする2つのタイミング
「自動車保険の解約」とは、「保険期間中の有効な自動車保険の契約を、契約者の意思によって途中で廃止」することを指す言葉です。自動車保険の一般的な保険期間は1年間なので、契約してから1年以内に自動車保険の契約をやめることと考えるのがわかりやすいかもしれません。
なお、1年間の保険期間が満了して契約が終わる場合は「満期」という言葉を使うのが通常です。また、何らかの理由によって保険会社側が契約を終了する場合には、一般的に「解除」という言葉が使われます。
では、自動車保険の解約はどのようなときに必要になるのでしょうか。代表的な2つのケースを紹介しましょう。
1つ目は「保険期間中に別の自動車保険に乗り換える」場合。1台の自動車で複数の自動車保険を契約することはできません。別の自動車保険に乗り換えたくなったときには、すでに契約している自動車保険を解約する必要があるのです。
もう1つは「自動車を手放す」場合です。自動車保険は所有している自動車にかけるものなので、自動車を手放すのであれば自動車保険は不要。廃車にしたり売却・譲渡したりするタイミングで自動車保険を解約することになります。
自動車保険を解約する2つのタイミング

自動車保険の解約手続き
保険会社によって異なりますが、自動車保険の解約手続き自体は簡単なものです。一般的な流れは以下の通り。ここでは書面を用いた解約手続きの方法を紹介していますが、Webサイト内で手続きが完了する保険会社もあります。
【1】解約を申し出る
保険会社や代理店に対して、Webサイト、電話などを通じて解約の意思を伝えます。
【2】解約書類に記入
保険会社から「解約申込書」「契約内容変更依頼書」などといった解約に必要な書類が送られてくるので、必要事項を記入します。
【3】解約書類と保険証券を返送
必要事項を記入した解約書類と保険証券(発行されている場合)を保険会社に返送すれば、解約手続きは完了です。
自動車保険の乗り換えのために解約する際の注意点
近年、自動車保険を販売する保険会社が増加し、保険料やサービスの多様化が進んでいます。「自動車保険は自分で選ぶ」という考え方も一般的になってきました。保険料やサービスに不満を抱いたときには、保険期間中の自動車保険を解約して、別の自動車保険に乗り換えたほうが合理的なケースもあります。
ただし、保険期間中の自動車保険の乗り換えにはいくつか注意すべき点も。特に経済的なデメリットが発生する可能性が高いので、ここで紹介する注意点をしっかりと押さえて、慎重に判断しましょう。
解約をして自動車保険を乗り換えるとノンフリート等級の進行が遅くなる
自動車保険の「ノンフリート等級」は、1年間の保険期間中に無事故で保険を使わずに過ごすと、次の契約で1等級進行する仕組みになっています。満期を迎えて自動車保険を更新したり、乗り換えたりするとノンフリート等級が1等級進行するのはこのためです。
一方、保険期間中に解約をして自動車保険を乗り換える場合、前契約の保険期間が1年に満たないため、乗り換え先の新しい自動車保険での等級の進行がありません。下の図のように、前契約の保険期間分、等級の進行が遅くなってしまうのです。
満期と解約の等級進行の比較

ノンフリート等級の進行による保険料の割引率アップは非常に大きなものです。保険料の節約を目的として自動車保険を乗り換える場合は、ノンフリート等級の進行が遅れることを加味しても、本当にメリットがあるのかをしっかりと検討しましょう。
保険会社によっては、自動車保険の乗り換えにあたって「保険期間通算特則」というものを利用できる場合があります。保険期間通算特則とは、「乗り換え時の新しい契約として前契約の満期日までの短期契約を結び、前契約と新しい契約の保険期間を合算して1年間の保険期間」と計算するもの。この特則が適用されれば、解約して乗り換えをした場合でも、ノンフリート等級の進行は満期で更新・乗り換えをした場合と同じになります。
保険料を年払いにしている場合は保険料が高くなる
自動車保険の保険期間は通常1年間です。保険料を1年分一括で支払っている、つまり年払いにしている人も多いでしょう。このとき、保険期間中に解約をすると、解約以降にかかるはずだった保険料は「解約返戻金(解約払戻金)」として返還されるのですが、その金額は単純な日割り・月割りの金額よりも少なくなるのが一般的なので注意が必要。
解約返戻金の金額が単純な日割り・月割りの金額よりも少なくなるのは、「短期率」というものを用いて、すでに経過した期間分の保険料が再計算され、契約当初の保険料よりも高くなるからです。下の表はある保険会社の短期率の例。短期率は、契約の経過期間に応じて、「年払いの保険料のうちの何割を保険会社に収めるか」という形で設定されています。
例えば、年払いの保険料が10万円、経過期間6カ月で解約する場合、短期率が70%なので、経過期間の保険料は70,000円となり、解約返戻金として戻ってくるのは30,000円になります。
なお、月払いで保険料を支払っている場合は、保険料の返還はなく、解約日が含まれる月の翌月以降の保険料の支払いが不要になるという形が一般的です。
■自動車保険の保険料の短期率の例
| 経過期間 | 短期率 |
|---|---|
| 7日まで | 10% |
| 15日まで | 15% |
| 1カ月まで | 25% |
| 2カ月まで | 35% |
| 3カ月まで | 45% |
| 4カ月まで | 55% |
| 5カ月まで | 65% |
| 6カ月まで | 70% |
| 7カ月まで | 75% |
| 8カ月まで | 80% |
| 9カ月まで | 85% |
| 10カ月まで | 90% |
| 11カ月まで | 95% |
| 12カ月まで | 100% |
※短期率の設定方法は保険会社によって異なります。
前契約の解約日と新契約の保険始期日は同日にすること
保険期間中に自動車保険を解約し、新しい自動車保険に乗り換える場合は、前契約の解約日と新契約の保険始期日(自動車保険の補償の適用が開始される日)を同日にするのが鉄則です。これには2つの意味があるので覚えておきましょう。
1つは補償の空白期間を作らないため。自動車保険を解約すると当然のことながらすべての補償が適用されなくなってしまいます。自動車を運転する以上、たとえ短期間でも補償を受けられない期間を作るのはリスクが高い行為といえます。前契約の解約日と新契約の保険始期日を同日にすることで、補償の空白期間をなくし、万が一の事故に備えるのです。
もう1つは、ノンフリート等級を確実に引き継ぐため。「前契約の解約日の翌日」から数えて、「新しい契約の始期日」が8日目以降になると、原則としてノンフリート等級が引き継げなくなります。ノンフリート等級の引継ぎに失敗すると、再度、6等級からのスタートとなるため、等級が進行している場合には大幅に保険料がアップしてしまいます。注意しましょう。
■前契約の解約日と新契約の保険始期日、ノンフリート等級の関係

ノンフリート等級が5等級以下の場合、たとえ解約日の翌日から8日以上たっていたとしても、前契約の解約日と新契約の保険始期日が13カ月以内ならノンフリート等級が引き継がれます。空白期間を意図的に設けることで、等級をリセットすることはできない仕組みになっているのです。
自動車を手放すタイミングで自動車保険を解約する際の注意点
続いては、自動車を手放すタイミングで自動車保険を解約するときの注意点について解説していきましょう。ポイントとなるのは将来、また自動車を所有する可能性があるか否かです。
将来的に自動車を所有する可能性があるなら「中断証明書」を取得する
ひとくちに「自動車を手放す」といってもその理由は人それぞれです。代表的な理由としては、「引越しをして交通手段としての自動車の必要性がなくなった」「海外赴任で一定期間、国内で自動車を運転しなくなる」「家計を助けるため」といったものがあげられるかもしれません。そして、これらの理由に共通するのが、将来的にまた自動車を所有する可能性があるということ。
一方、前述したように自動車保険のノンフリート等級は、一定の空白期間が発生すると失効する仕組みになっています。自動車を手放し、しばらくの間、自動車保険の契約をしていないと、再度、自動車を取得したときの自動車保険は6等級からのスタートになるということです。
ノンフリート等級による保険料の割引きは非常に大きなもの。また自動車を所有するときのことを考えて、ノンフリート等級を維持したいと考えるのが普通でしょう。
そこで、自動車保険を解約する際に取得しておきたいのが「中断証明書」です。中断証明書を取得しておくと、一般的に10年間、解約前の等級が保存され、再開時に解約前の等級で契約できるようになります。
中断証明書とノンフリート等級の関係

自賠責保険の名義変更や解約も忘れずに行う
ここまでは自動車保険(任意保険)の解約に焦点を絞って解説をしてきましたが、車を手放す場合には、自賠責保険(自動車損害賠償責任保険)の名義変更や解約も必要になります。名義変更、解約、それぞれの手続きに必要な書類を紹介するので、保険会社の窓口や郵送で手続きするのを忘れないようにしましょう。
●名義変更(権利譲渡)に必要な書類
- ・自賠責保険証明書
- ・譲渡人・譲受人の押印がある自賠責保険承認請求書
- ・譲渡意思を確認できる書類(印鑑証明書、運転免許証、自動車車検証、軽自動車届出済証など)
●解約に必要な書類
- ・自賠責保険証明書
- ・契約者の印鑑
- ・銀行口座の番号(解約返戻金の振込先となる)
- ・契約者本人であることが確認できる書類(運転免許証、健康保険証など)
- ・登録事項等証明書等廃車したことを証する書類
※上記は概要を説明したものです。引受保険会社により、商品名や補償内容等は異なりますので、ご契約にあたっては必ず「各社商品パンフレット」および「重要事項のご説明・契約概要のご説明・注意喚起情報のご説明」をあわせてご覧ください。
また、詳しくは「ご契約のしおり(普通保険約款・特約)」等をご用意していますので、取扱代理店または引受保険会社までご請求ください。ご不明な点につきましては、取扱代理店または引受保険会社までお問合わせください。
![]()
- ※自動車保険に加入中の方は保険証券・免許証を、未加入の方は車検証・免許証をご用意ください。
- ※現在の保険契約の満期日まで、1日以上90日未満の方が見積もり依頼の対象です。
- ※お取り扱いできない契約もございます。詳細はページ下部をご確認ください。
- ※法人・営業用はこちら/バイク保険はこちら
このページを読んだ人は次のページも読んでいます
自賠責保険の解約方法|手続きの注意点や返金額について解説
「事故で車が修理不能の状態になった」などの理由で車を廃車にする際には、自賠責保険を解約することで、残りの保険期間に応じた返戻金が支払われます。自賠責保険は、加入が義務付けられていますが、どういったケースで解約することができるのでしょうか。自賠責保険を解約する条件や返戻金について押さえた上で、解約の手続きの流れ、必要な書類などについて解説します。
続きを読む
初めての自動車保険の入り方|加入する際のタイミングについても説明
新車や中古車を購入して初めて自動車保険に加入するときには、どのように手続きを進めていけば良いのでしょうか。車を購入したら、強制保険の自賠責保険だけではなく、任意保険にも加入しておくのが望ましいです。今回は、初めて自動車保険の任意保険に加入する人に向けて、加入するタイミングや手続きの流れなどについて紹介します。
続きを読む
自動車保険に加入するときの必要書類|手続きの流れと更新・見積もり時についても紹介
自動車を購入したときや現在加入している自動車保険から乗り換えを検討しているときなどは、自動車保険の見積もり、契約、更新の手続きなどが発生します。その際は、対象となる車両の特定や保険料の算出のために、正確な情報が必要となります。そこで、自動車保険の手続きの流れを紹介した上で、自動車保険の加入時における必要書類などについて紹介します。
続きを読む
自動車保険の乗り換え手順と事前に知っておくべきメリット・注意点
「保険料が高すぎる」「事故対応が悪かった」。そんなときに、多くの人が考えるのが自動車保険の保険会社を変えること、つまり、自動車保険の乗り換えです。このページでは自動車保険の乗り換えの手順から、メリットの詳しい解説、注意事項まで、初心者にもわかりやすく解説しています。乗り換えを検討し始めたらすぐに読んでみてください。
続きを読む
自動車保険の名義変更|必要なケース・変更方法を解説
車の保険には、加入が義務付けられている自賠責保険と、加入の判断が個人に委ねられている任意保険(以下、自動車保険)があります。車の所有者が変わったときやおもに運転する人が変わったときなど、さまざまなケースで名義変更が必要です。
ここでは自動車保険の名義変更が必要なケースや変更方法についてわかりやすく解説します。













