無保険車傷害保険(特約)とは|補償対象や人身傷害補償保険との違いを解説

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自動車事故が起きて死亡や後遺障害を被った際、相手の自動車が対人賠償保険に加入していないと、相手から十分な補償を受けられない可能があります。そのような状況を避けるために、任意保険には「無保険車傷害保険(特約)」が自動で付帯されていることが一般的です。この記事では、無保険車傷害保険とはどのようなものなのかを詳しく解説します。

無保険車傷害保険(特約)とは|補償対象や人身傷害補償保険との違いを解説

無保険車傷害保険とは

無保険車傷害保険とは

自動車事故によって「死亡または後遺障害」を被った際、相手方が対人賠償保険などに加入していないなどの理由で十分に補償が受けられない場合に、自分の保険で補償が受けられる保険のことです。名称は保険会社によって異なり、無保険車傷害特約と呼ばれることもあります。基本的には、任意保険に自動で付帯されています。

無保険車に該当する自動車

無保険車傷害保険の「無保険車」とは、一般的に次のような自動車を指します。

  • ・対人賠償保険などを契約していない相手自動車
  • ・対人賠償保険などを契約しているが、運転者限定違反や年齢条件違反などの理由で保険金が支払われない場合の相手自動車
  • ・対人賠償保険などを契約しているが、その保険金額が損害賠償金額より低い場合の相手自動車
  • ・あて逃げなどで相手自動車が不明の場合

任意保険には基本的に対人賠償保険が必ず付いているため、加害者側が任意保険に加入しており、被害者が対人賠償の対象となる損害を受けた場合は、その補償の対象となります。ただし、加害者が加入している対人賠償保険の保険金額が損害賠償金額より低い場合、契約内容に違反したために保険が使えない場合などは、「無保険車」に該当し、無保険車傷害保険の対象となります。

なお、あて逃げなど相手車両や加害者を特定できない事故は、保険会社や約款によって取扱いが異なります。

無保険車傷害保険の補償対象

無保険車傷害保険の補償対象は次の通りです。

  1. 1. 被保険者
  2. 2. 被保険者の配偶者
  3. 3. 被保険者の同居の親族
  4. 4. 被保険者または配偶者の別居の未婚の子
  5. 5. 上記以外で契約の車に搭乗中の人

契約の車に搭乗中の無保険車との事故 他の車に搭乗中の無保険車との事故 歩行中の無保険車との事故
被保険者とその家族(1~4) 対象 対象 対象
上記以外の人(5) 対象 対象外 対象外

被保険者とその家族は、契約の車に搭乗中以外の事故も補償対象です。つまり、他の車に搭乗中や歩行中の交通事故で、相手が無保険車だった場合も補償の対象になります。

無保険車傷害保険で支払われる保険金の上限

支払われる保険金の上限は保険会社によって異なりますが、被保険者1名につき2億円または無制限の商品が一般的です。加害者が負担すべき損害賠償金のうち、自賠責保険や対人賠償保険などの保険金を超える部分について支払われます。

無保険車傷害保険で保険金が支払われない場合もある

無保険車傷害保険で保険金が支払われない場合もある

無保険車傷害保険に加入していても保険金が支払われないケースもあります。おもなケースは次の通りです。

  • ・被保険者の故意・重過失による場合
  • ・自然災害によって生じた場合
  • ・その他の場合

被保険者の故意・重過失による事故の場合

被保険者の故意または重大な過失によって、その本人に生じた損害または傷害の場合は支払われません。例えば次のような場合です。

  • ・無免許運転
  • ・麻薬などの影響で正常な運転ができないおそれがある状態での運転
  • ・酒気を帯びた状態での運転
  • ・被保険者の脳疾患、疾病または心身喪失によって生じた損害または傷害
  • ・被保険者の自殺行為または犯罪行為によって生じた損害

麻薬などの影響がある状態や酒気を帯びた状態での運転は、たとえ被害者であっても補償の対象外です。

自然災害によって損害を受けた場合

自然災害によって損害を被った場合も対象外です。

  • ・地震や噴火、これらによる津波によって生じた損害または傷害
  • ・台風、洪水または高潮によって生じた損害または傷害

これらの自然災害は防ぎようがありませんが、安全を守る意味でも天候が荒れているときはなるべく運転を避けましょう。

自然災害に備える特約
自然災害への対策として、『地震・噴火・津波危険「車両全損時一時金」特約』を車両保険にセットしておくと、地震などで車が全損した場合、臨時費用として一時金が支払われます。

その他の場合

その他、次のようなケースも無保険車傷害保険の補償の対象外となります。

  • ・被保険者の父母、配偶者または子などが賠償義務者となった場合の損害
  • ・医師による他覚所見のない後遺障害または傷害
  • ・契約の車を競技・曲技のためなどに使用、またこれらを行うことによって生じた損害または傷害

親族との事故は免責事由となるため、保険金の支払い対象にはなりません。免責事由とは、保険会社が保険金の支払いを免れる事由のことです。

加害者が父母、配偶者、子など親族の場合は免責事由となり、補償の対象外となります。また、補償が受けられるのは死亡または後遺障害が生じた場合のみです。医師による所見がない場合も保険金が支払われません。その他、ロードレースやサーキットでの練習中の事故によって生じた損害や傷害も対象外となります。

保険申請には医師の診断書が必要
基本的に、保険を申請する場合は医師の診断書が必要になります。それを見て、保険会社が判断するということになります。

無保険車傷害保険のQ&A

無保険車傷害保険のQ&A

無保険車傷害保険についてよくある質問を解説します。

Q.無保険車傷害保険は必要か?

A.一般社団法人 日本損害保険協会が発表した2025年3月時点の「自動車保険 都道府県別加入率」では、対人賠償保険の加入率が約75.4%でした。つまり、約24.6%は対人賠償保険に未加入であり、無保険車は意外にも多いことがわかります。

事故に遭った際、相手自動車が無保険車の可能性もあるため、無保険車傷害保険があると安心です。

Q.無保険車傷害保険と人身傷害補償保険の違いは?

A.無保険車傷害保険と似ている保険に「人身傷害補償保険」があります。おもな違いは自分の過失分への補償の有無です。

無保険車傷害保険 人身傷害補償保険
補償の範囲
  • ・死亡
  • ・後遺障害
  • ・死亡
  • ・後遺障害
  • ・ケガ など
自分の過失分 対象外 補償対象

無保険車傷害保険と人身傷害補償保険は、補償の範囲が「死亡」または「後遺障害」である点は同じです。人身傷害補償保険が異なるのは、死亡または後遺障害だけでなく、「ケガ」についても対象である点です。

また無保険車傷害保険は、自賠責保険と人身傷害補償保険などの保険額を超える部分の保険金が支払われることになります。

そのため、無保険車傷害保険と人身傷害補償保険の両方に加入している場合、無保険車による事故によって「死亡」または「後遺障害」を被ったときには、人身傷害補償保険が優先して適用されます。

この2つの保険が異なるもうひとつの点は、自分の過失分に対する補償です。無保険車傷害保険では、自分の過失分については補償されませんが、人身傷害補償保険は過失の割合に関係なく補償されるため、自分に大きな過失があっても補償の対象となります。

自分の過失による事故で適用される保険は?
例えば、信号待ちの車に追突してしまった場合などのように、自分の過失割合が100%のときなど、自分の人身傷害補償保険によって補償されます。

Q.無保険車傷害保険を使用すると等級は下がる?

A.無保険車傷害保険を使用しても、翌年の等級は下がりません。したがって等級ダウンによる保険料の割増は発生しません。

Q.ケガの場合も補償してもらえる?

A.無保険車傷害保険で補償が受けられるのは、「死亡または後遺障害」のみです。
後遺症が残らないケガの治療費や通院費、また車の修理費などは補償されません。死亡や後遺障害については、契約内容や損害額に応じて補償されます。

ケガは自賠責保険で補償される
ケガについては自賠責保険で補償されます。被害者一人につき120万円までが限度です。

まとめ:無保険車傷害保険は万が一のときに役立つ

まとめ:無保険車傷害保険は万が一のときに役立つ

自動車事故で損害を被ったときは、相手方の任意保険で補償されるため、無保険車傷害保険は不要だと考える人がいるかもしれません。しかし、対人賠償保険の加入率は約75.4%と、意外にも未加入の自動車が多いことがわかりました。こちらが十分気を付けていても、無保険車と事故に遭う可能性はあり、その場合は十分な補償を受けられない可能性があります。

任意保険では、無保険車傷害保険が基本補償としてセットされている商品が一般的です。任意保険への加入を検討する際は、無保険車との事故の救済というメリットも併せて考えましょう。

※本記事は2026年9月7日時点での情報です。
※上記は概要を説明したものです。引受保険会社により、商品名や補償内容等は異なりますので、ご契約にあたっては必ず「各社商品パンフレット」および「重要事項のご説明・契約概要のご説明・注意喚起情報のご説明」をあわせてご覧ください。また、詳しくは「ご契約のしおり(普通保険約款・特約)」等をご用意していますので、取扱代理店または引受保険会社までご請求ください。ご不明な点につきましては、取扱代理店または引受保険会社までお問合わせください。
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