盗まれた車で事故を起こされた!盗難被害に遭った所有者の賠償責任は?

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盗難車が事故を起こして他人に損害を与えるケースは珍しくありません。盗難車と自動車保険の関係について解説します。

盗難車が事故を起こして他人に損害を与えた場合、所有者は賠償責任を負う?

盗難車が犯罪に使用されたり、乱暴な運転によって事故を起こしたりすることは珍しくありません。盗難車が事故を起こして他人に損害を与えたとき、盗難車の所有者は賠償責任を負わなければならないのでしょうか。

盗難車の運転者が事故を起こして他者に損害を与えた場合、盗難車の運転者に落ち度があれば、他者に発生した損害について、その運転者が賠償責任を負うことになります。ただし、盗難車の運転者が赤信号待ちをしていたところ追突されたというような盗難車の運転者に全く落ち度がない場合は、当該事故の当事者との関係においては賠償責任を負いません。

一方、盗難車の所有者は、盗難被害に遭う経緯において明らかな落ち度がある場合には、自動車の管理者としての責任を問われ、賠償責任があると認められるケースも存在します。例えば、他人の立ち入りが容易な場所に、エンジンをかけたままで長時間放置していた場合は、賠償責任を負う可能性があります。

少し古い裁判例ですが、車の所有者がエンジンキーを差し込み、運転席ドアを開けたまま放置していたなどの事情が認められる事案では、盗難車の所有者に賠償責任を肯定した裁判例があります。

実際には、盗難車の所有者の管理責任は、裁判所において事案ごとに個別具体的な事情を踏まえて検討され、責任の有無が判断されるわけですが、以下のようなケースは管理者の過失と認められる可能性があると言われています。

■管理者責任を問われる原因となりうる事情
  • ●第三者が容易に接触可能な場所に、エンジンキーを付けたまま、ドアロックすることなく放置した
  • ●盗難被害に遭ったあと、速やかに盗難届けを出さなかった
  • ●盗難から事故発生までの時間が近接している
  • など
無断使用での事故が起きた場合はどうなる?
盗難ではないものの、無断で自動車が使用されるケースも存在します。こういった場合、無断運転者と保有者との間の人的関係(雇用関係、身分関係、友人関係など)の有無、自動車の保管状況、無断乗り出しの態様、無断運転の目的や帰還予定などの事情を踏まえて判断されます。客観的・外形的にみて所有者の運行支配が及んでいると認められるとき、例えば、所有者が無断運転者の運転を認容していると客観的に認められる事情があるときなどには、他人に与えた損害について所有者が賠償責任を負うことがあります。

盗難車が起こした事故に自動車保険は適用される?

盗難車が事故を起こして他人に損害を与えた場合、自動車保険を利用できるか解説します。

自動車の所有者に損害賠償責任がない場合

所有者が、自動車の管理責任を全うしていたなど、賠償責任を負わない場合は、自賠責保険や自動車保険の「対人賠償保険」「対物賠償保険」を利用することはできません。なぜなら、自賠責保険や自動車保険の対人賠償保険、対物賠償保険は、被保険者が法的な賠償責任を負った場合に、保険契約に基づき保険金の給付を受けるというものだからです。

また、「人身傷害補償保険」「搭乗者傷害保険」も利用することはできません。人身傷害補償保険、搭乗者傷害保険は、運転者が「保険加入車両の使用について正当な権利を有する人の承諾を得ている」ことが適用条件となっているからです。

これに対し、「車両保険」を利用することはできます。保険会社では、車両保険の対象となっている自動車が盗難された場合は、その自動車が全損したと扱います。そのため保険金は支払われるのです。その代わりに、その自動車のすべての権利(所有権など)は保険会社に移転するので、後日、自動車が発見されたとしても、その自動車は所有者に返還されません。

もっとも、保険会社が保険金を支払った日の翌日から60日以内に自動車が発見されたときは、保険金を保険会社に返還することで自動車の返還を受けることができるのが一般的です。

自動車の所有者が賠償責任を負う場合

自動車の所有者が賠償責任を負う場合は、自賠責保険や自動車保険の「対人賠償保険」「対物賠償保険」を利用することができます。また、「車両保険」も利用することができます。

これに対し、「人身傷害補償保険」「搭乗者傷害保険」を利用することはできません。人身傷害補償保険、搭乗者傷害保険は、運転者が「保険加入車両の使用について正当な権利を有する人の承諾を得ている」ことが適用条件となっているからです。

ここまで、盗難車と賠償責任、自動車保険の関係を見てきましたが、盗難をされないのが一番なのは言うまでもありません。施錠をする、長時間自動車を放置しないなど、盗難リスクを抑える工夫を心掛けましょう。

※本記事は2015年8月21日時点での情報です。
※上記は概要を説明したものです。引受保険会社により、商品名や補償内容等は異なりますので、ご契約にあたっては必ず「各社商品パンフレット」および「重要事項のご説明・契約概要のご説明・注意喚起情報のご説明」をあわせてご覧ください。
また、詳しくは「ご契約のしおり(普通保険約款・特約)」等をご用意していますので、取扱代理店または引受保険会社までご請求ください。ご不明な点につきましては、取扱代理店または引受保険会社までお問合わせください。

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