1日自動車保険の選び方|補償や保険料を解説
「友達や家族の車を借りて運転した」「親の車を借りて旅行に出かけた」「運転を交代しながら友達とドライブに行った」といった経験はありませんか?そんなときに気を付けてもらいたいのが、自動車保険(任意保険)の補償内容です。一般的な自動車保険は、保険料を安くするために、「本人限定」「家族限定」「年齢制限」などの運転者特約(割引)というものがあります。しかし、特約を利用している場合は、契約で限定している運転者以外が運転し、事故を起こしたときに保険を利用することができません。そこで便利なのが、「1日自動車保険」です。「1日自動車保険」とは、その名前のとおり、1日から加入できる自動車保険のことです。ここでは「1日自動車保険」の選び方や補償内容、保険料について解説します。
1日自動車保険を選ぶポイント
「1日自動車保険」といっても、損害保険会社によって補償内容や保険料が異なります。例えば、「代理店型」や「通販型(ダイレクト型)」といった種類があり、それぞれの損害保険会社で3プラン程度、用意されています。プランごとに保険料の他、対人賠償保険や対物賠償保険の内容も違ってきますし、低価格なプランには、車両補償が含まれないものもあります。また、ロードサービスにも差があり、損害保険会社によって申込方法や支払方法も異なります。
そこで、「1日自動車保険」を選ぶ際には、保険料だけではなく補償内容やロードサービス、申込方法などを確認してから、自分に合ったものを選ぶことが大切です。「1日自動車保険」は掛け捨てなので、つい「安く抑えたい」という気持ちになりがちですが、万が一の事故やトラブルの備えとしては補償内容が大切です。ここでは、「1日自動車保険」を選ぶ際のチェックポイントをわかりやすく解説します。
1日自動車保険を選ぶメリット・デメリット
1日自動車保険を選ぶメリットは、1日という短期間から加入でき、お手頃な価格で、かつ手軽に自動車保険を選べることです。また、通常の保険であれば、18歳、21歳、26歳など、運転者の年齢によって保険料が変わりますが、1日自動車保険であれば年齢に関わらず一律の保険料です。そのため、若い方でも安い保険料で加入できるというメリットがあります。さらにコンビニ等ですぐに加入できるので、「急に車を借りて運転することになった」というときにも安心です。保険料や申込方法については、次項から詳しく解説します。
一方でデメリットは、一番安いプランだと補償内容が限定されているということです。特に自分が運転している車の修理に必要な車両補償に注意しましょう。大手損害保険会社では、低価格な1日自動車保険が用意されていますが、1日1000円以内で加入できるプランの場合、車両補償なしになっています。そのため交通事故で借りている車の修理が必要な場合、自身で修理費用を負担することになります。そのほかにも運転者自身や同乗者への補償(人身傷害や入通院定額給付金、死亡後遺症定額給付金等)や事故発生時の代車費用が含まれていないプランもあるので十分に確認して選ぶようにしましょう。
「1日自動車保険」の保険料はいくらか
「1日自動車保険」の保険料は、1日で約400円~2,500円です。契約する損害保険会社によって料金が異なり、同じ損害保険会社であっても、プランによって保険料に差が生じます。例えば、車の修理費等を補償する車両保険の有無、車両保険の補償限度額や自己負担額(免責額)、ロードサービスや特約、さらに「1日自動車保険」の利用回数(利用日数)による割引によっても、保険料は変わります。
対人賠償保険・対物賠償保険はどの程度か
「1日自動車保険」に加入する際は、必ず「対人賠償保険」と「対物賠償保険」を確認しましょう。「対人賠償保険」とは、人身事故が起きた際、被害者に対して支払われる保険です。交通事故では相手にケガを負わせてしまったり死亡させてしまったりすると、加害者に損害賠償責任が発生します。その賠償金は、数千万円から数億円という、個人では到底支払えない莫大な金額になるケースも多々あります。交通事故では、被害者はもちろん、加害者にも大きな負担がかかります。そんなとき、加害者に課せられた賠償金という負担を軽減し、被害者に対して支払われるのが「対人賠償保険」です。「対人賠償保険」は、「1日自動車保険」を選ぶ際に最も重要な補償内容です。
一方、「対物賠償保険」は、相手の車や建物などの「他人の財産への損害」を補償する保険です。例えば、「交通事故で相手の車が壊れてしまった」「車庫入れのときに建物にぶつかってしまった」といった場合、ドライバーには賠償責任が発生します。その他にも、店舗に被害を与えてしまったため営業ができなくなったり、商品を壊してしまったりしたときの補償などにも「対物賠償保険」が適用されます。
「1日自動車保険」では、「対人賠償保険」「対物賠償保険」ともに、一番安い保険料のプランでも無制限となっています。ただし、「対物賠償保険」については、保険料を抑えるために免責金額が設定されていることもあるので、注意が必要です。免責金額とは、事故を起こして保険金の支払いが発生した場合の自己負担金です。例えば、被害者の車を修理するのに20万円かかったとします。その場合、免責金額が5万円に設定されていると、契約者が5万円を自己負担し、残りの15万円が保険金として支払われます。「1日自動車保険」を利用する場合は「対物賠償保険」の免責金額を必ず確認しましょう。
車両補償はあるか
「1日自動車保険」の保険料を決める一番の要因といえば、車両補償です。一般的に「車両保険」と呼ばれるもので、自分が運転している車の修理に使える保険です。「対人賠償保険」や「対物賠償保険」は、加害者に保険金が支払われますが、車両補償は運転者(または所有者)に保険金が支払われます。
車両補償があれば、「交通事故で借りていた車も壊れたので保険金で修理したい」「走行中に飛び石が当たり、フロントガラスにヒビが入ったので修理したい」「台風や津波などの自然災害で車が水没してしまったので修理したい」といった場合にも、保険金が利用できます。
ただし、車両補償をつけると保険料が高くなるので注意が必要です。また、契約プランによっては車両補償が付いていない場合もあります。各社の一番安いプランは、車両補償が付いていないものがほとんどなので、事前に確認しましょう。また、車両補償についても「対物賠償保険」と同様に免責金額が設定されていたり、損害保険会社やプランによって最大補償額が異なったりします。
ロードサービスはどの程度補償されているか
通常の自動車保険と同様に「1日自動車保険」でも、ロードサービスが利用できます。バッテリー上がり、インロック・インキー(鍵の閉じ込み)、燃料切れ、タイヤ交換、レッカー(牽引)などのロードサービスは、どの「1日自動車保険」でも共通しています。ただし、保険会社やプランによって、一部サービスが異なることもあるので、利用前には必ず確認しておきましょう。
例えば、代表的なものとして挙げられるのは、無料で利用できるレッカー移動の距離です。損害保険会社によって、無料で利用できるレッカー移動が約180キロ相当や約500キロ相当といった形で異なってきます。その他にも、バッテリー交換、インロックの対処、タイヤ交換の回数に制限を設けていたり、燃料切れの場合のガソリン代がロードサービスに含まれていなかったりすることがあります。
また、同じ損害保険会社でも高いプランの場合、弁護士費用特約や代車費用特約といった手厚いサービスが付いているものもあります。ロードサービスの他、付加価値の高い特約を付けているプランもあるので、比較検討の材料にしてください。
1日自動車保険の対象外となる車がある
「1日自動車保険」は、「他人や親族が所有している車」を対象としています。なお、ここでいう「親族」には配偶者は含まれず、「自動車」は自家用乗用車(普通自動車・小型自動車・軽四輪自動車)を指します。そのため、運転者本人が所有している車や配偶者が所有している車は対象外になります。その他にも、カーシェアリングを含む法人が所有している車、レンタカー、車検切れになっている車、登録を抹消されている車、一部の輸入車やスポーツカーなども対象外になるので、注意が必要です。
対象外になる車の例
・運転者本人が所有している車・運転者の配偶者が所有している車
・カーシェアリングを含む法人が所有している車
・レンタカー
・車検が切れている車
・登録を抹消されている車
・運転する予定のない車
・損害保険会社が定める高価な車
・実在していない車
ちなみに、損害保険会社が定める高価な車としては、ホンダのNSXやトヨタのセンチュリーといった国産車の他、ダイムラー、フェラーリ、ベントレー、マイバッハ、マセラティ、ランボルギーニ、ロールスロイスなどの高級輸入車が該当します。
その他にも、損害保険会社によっては、以下の車も対象外になっています。一般的な乗用車であれば、以下に該当することはありませんが、商用車やバス、トラック、特殊車両などは「1日自動車保険」に加入できないと考えておけば大丈夫です。
・ナンバープレートの3桁の分類番号が[3××][5××][7××]の車以外・ナンバープレートが「白地に緑文字」または「黄地に黒文字」の車以外
・普通自動車、小型自動車計四輪自動車以外
レンタカーには自動車保険がつけられないのか?
大手4社が提供している「1日自動車保険」は、レンタカーやカーシェアリングでは利用できません。あくまで「他人や親族が所有している車」が対象で、法人が所有している車は対象外です。ただし、一般的にはレンタカー会社が短期の自動車保険を用意しているので、そちらを利用すれば大丈夫です。また、例外として、個人間カーシェアの場合は、「1日自動車保険」が利用できます。この場合は、会社ではなく個人から車を借りるので、「他人が所有している車」に当てはまるわけです。
レンタカー会社が用意している自動車保険の内容
レンタカー会社によって多少は異なりますが、一般的にはレンタカー利用料の中に自動車保険料が含まれています。また、万が一の事故が不安な場合は、追加料金を支払うことで「免責補償制度」も利用できます。ちなみに、以下は、トヨタレンタカーのレンタカー料金に含まれている保険・補償内容です。
トヨタレンタカーの保険・補償内容
・対人補償
1名につき無制限(自賠責保険の補償額含む)
・対物補償
1事故につき無制限[自己負担額(免責額)5万円]
・車両補償
1事故につき車両時価額まで[自己負担額(免責額)5万円/ただしバス・大型貨物車は10万円]
・人身傷害補償
1名につき3000万円まで
※搭乗者の自動車事故によるケガ(死亡・後遺障害を含む)につき、運転者の過失割合に関わらず、損害額を補償します。(限度額3,000万円:損害額は保険約款に定める基準に従い算出されます)
※2026年7月現在。トヨタレンタカーのウェブサイトより
この他にも、車両搬送サービス(レッカーサービス)、バッテリー上がり時の再始動、インロック時の鍵開け対応、パンク時のスペアタイヤ交換、落輪引き上げ、ガス欠時の燃料補給といったロードサービスも付帯しています。今回は、トヨタレンタカーを題材にしましたが、大手レンタカー会社であれば、同様の保険・補償サービスを受けられます。
レンタカー会社が用意している自動車保険の注意点
レンタカー料金に含まれている保険・補償の場合、免責額が設定されています。免責額とは、事故を起こしたときに発生する費用の一部を自己負担する金額です。上述したトヨタレンタカーの例でも、対物補償・車両補償の項目に「自己負担額(免責額)5万円」と記載されています。
「数千万円のような高額な賠償が発生する事故でも、5万円の自己負担で済む」と考えれば安いものですが、それでも万が一の事故発生時にかかる負担は、できるだけ抑えたいものです。そういったドライバーに向けて、レンタカー会社では、申込時に追加料金を支払うことで免責額を免除する「免責補償制度」というものを用意しています。
例えば、対物補償や車両補償を利用する場合、レンタカー料金に含まれる保険・補償では、自己負担額(免責額)5万円が発生します。「免責補償制度」を利用すれば、この自己負担額(免責額)を免除してもらえるので、万が一の事故やトラブルでも、自己負担せずに済みます。その他にも、レンタカー会社独自で保険・補償を準備しているので、利用前には必ず確認し、必要に応じて追加しましょう。
まとめ
「1日自動車保険」は損害保険会社によって補償・サービス内容が異なり、保険料にも差があります。とはいえ、そこまで大きな差があるわけではありませんので、申込方法・支払方法の使いやすい損害保険会社を選べば良いでしょう。それよりも重要なのは、「プラン選び」です。保険料だけではなく、車の利用方法や自身の運転経験も考慮し、安全なプランを選ぶことが大切です。
また、友達や家族と出かける際に、運転手交代の可能性がある場合は、運転者の追加も忘れないようにしてください。「1日自動車保険」は、通常は運転者1名を登録しますが、追加保険料を支払うことで、運転者を複数登録することが可能です。
※上記は概要を説明したものです。引受保険会社により、商品名や補償内容等は異なりますので、ご契約にあたっては必ず「各社商品パンフレット」および「重要事項のご説明・契約概要のご説明・注意喚起情報のご説明」をあわせてご覧ください。 また、詳しくは「ご契約のしおり(普通保険約款・特約)」等をご用意していますので、取扱代理店または引受保険会社までご請求ください。ご不明な点につきましては、取扱代理店または引受保険会社までお問合わせください。
![]()
- ※自動車保険に加入中の方は保険証券・免許証を、未加入の方は車検証・免許証をご用意ください。
- ※現在の保険契約の満期日まで、1日以上90日未満の方が見積もり依頼の対象です。
- ※お取り扱いできない契約もございます。詳細はページ下部をご確認ください。
- ※法人・営業用はこちら/バイク保険はこちら
このページを読んだ人は次のページも読んでいます
「自賠責保険」と「任意保険」の違いと必要性を理解して正しく加入する
このページでは、「自賠責保険」と「任意保険」の違いを、「加入義務」「補償内容」「サービス」「保険料の仕組み」の4つの観点から詳しく解説していきます。自動車を初めて手に入れた人、今まで深く考えずに任意保険に加入してきた人は、ぜひじっくりと読んでみてください。自賠責保険に加えて、なぜ任意保険に加入しなければならないのかを、しっかりと理解できるはずです。また、任意保険の保険料の節約法も紹介しているのであわせてチェックしておきましょう。
続きを読む
自賠責保険(共済)とは?加入方法・補償内容・保険料についてわかりやすく解説
「自賠責保険(自動車損害賠償責任保険)」は、すべての自動車に対し、法律で加入が義務付けられている保険です。しかし、初めて自動車を持った人はもちろん、ベテランドライバーでも、自賠責保険の重要性を理解しきれている方は少ないかもしれません。このページでは、役割から補償内容、加入方法に保険料、そして万が一のときの保険金の請求方法まで、自賠責保険に関する基礎知識を余さず解説していきます。自賠責保険について理解することは、ドライバーにとってリスク管理の最低条件ともいえます。じっくりと読んでおきましょう。
続きを読む
自動車保険とは?役割・種類・補償内容について知る
初めて自分で加入する人にとって、自動車保険の仕組みはなかなかに難解なものです。もしかすると、「よくわからないから適当に加入してしまおう」などと考えている人もいるかもしれません。しかし、自動車保険は万が一の事故の際の経済的な負担を、保険金でカバーしてくれるとても重要なもの。しっかりと理解し、自分の目で選ぶことが大切です。
このページでは、初めて自動車保険に加入する人にもわかりやすいよう、自動車保険の役割から種類、補償内容まで、1つずつ丁寧に解説していきます。ぜひチェックしてください。
自動車保険の保険料相場は年齢・車両保険・車種でどう変わる?独自データで徹底調査
「自分の自動車保険の保険料が高すぎるのでは?」「ほかの人の自動車保険の保険料はもっと安いのでは?」などと思ったことはないでしょうか。そこでこのページでは自動車保険の保険料の相場について調べていきます。また、自分にとって最適な自動車保険の保険料相場を知る具体的な方法も紹介しているので、ぜひチェックしてみてください。
続きを読む
自動車共済とは|特徴や自動車保険との違いを解説
万が一、自動車事故を起こしたときの備えとして、「自動車保険」以外にも「自動車共済」という選択肢があります。「自動車共済は掛け金が割安」といわれることもありますが、自動車保険と何が違うのでしょうか。自動車共済の概要についてご紹介した上で、自動車保険との違いやメリット・デメリットなどについて、取り上げていきます。
続きを読む












