自動車保険の等級は引継ぎが可能!親・家族からもらう方法も解説
自動車保険の保険料をできる限り抑えたい方は、等級の引継ぎ(継承)を検討してみてはいかがでしょうか。等級の引継ぎには、いくつかの条件や適切なタイミングがあるため、それらをしっかりと理解してから引継ぎを行うことが大切です。
今回は、自動車保険の等級引継ぎができる条件とできない条件、等級の引継ぎのメリットなどをご紹介します。
自動車保険の等級の引継ぎ(継承)とは
自動車保険の等級は、ご自身もしくは配偶者、同居する親族間で引き継ぐこと(継承すること)ができます。高い等級を引き継ぐことで、自動車保険料を安く抑えられるメリットがあります。
等級を引継げるのは、上記に記載した通りで、それ以外の他人(友人・知人など)には引き継ぐことができません。
まずは、「自動車保険を切り替えるケース」と「親や家族の等級を引継いでもらうケース」をそれぞれ見ていきましょう。
自分の保険を切り替える
現在契約している自動車保険の満期が近づき、新しい保険への切り替えを検討される方もいらっしゃるでしょう。「新しい保険に切り替えたら、今の等級をそのまま引き継げるのか?」と不安に思う方もいらっしゃるでしょう。ここでは、こういった不安を抱きがちな事例について、詳しく解説していきます。
●他社の自動車保険に乗り換えるとき
今とは違う保険会社の自動車保険に乗り換えても、等級の引継ぎは可能です。ただし一部の共済については、等級引継ぎの対象外となりますので、契約前に必ず確認しましょう。また、前の保険の満期日の翌日から7日以内に新しい保険の始期日を設定しないと等級がリセットされ、仮に15等級だったとしても6等級に下がってしまうので、ご注意ください。
●車を買い替えるとき
車を買い替えた際は、「車両入替」の手続きをすることによって契約の対象となる車両を入れ替えることができ、等級を引き継ぐことができます。なお、車を個人間の取引で購入したり、譲り受けたりした場合には、車両の名義を変更してください。車種が変わった場合には、保険料が変更になるケースもあります。
●一時的に車を手放すとき
前の自動車保険の満期日または解約日の翌日から7日以内に、次の自動車保険を契約しないと、前の等級を引き継ぐことができず、これまでの等級が7等級以上だったとしても、6等級にリセットされてしまいます。
もし、一時的に車を手放すなどする場合は、保険会社各社が指定する期間内に「中断証明書」を発行しておきましょう。「中断証明書」を発行しておけば、最長10年間、等級を保存することが可能です。7等級以上ならば中断証明書が発行できるので、将来的に車を使用する可能性が少しでもある方は、中断証明書を発行すると良いでしょう。
親や家族の等級をもらう
自動車保険の等級は、家族・親族から引き継ぐことが可能です。例えば、自動車保険の記名被保険者(契約対象の自動車を主に運転する人)を親から子供に変更すると、子供が親の高い等級を引き継ぐことができます。
一般的に、10代や20代の若い運転者は、運転歴や保険への加入歴が浅く、等級が低めです。さらに、若年層は統計的にも事故リスクが高く、保険料はほかの年代に比べて高く設定されています。そこで、親の等級を引継ぎ、等級による割引率を適用させることで保険料を抑えることができます。
このように、家族や親族間で等級を譲り渡すしくみのことを、保険業界では「吐き出し」や「押出し」などとも呼ばれます。
なお、等級を引き継ぐことができる親族には条件がありますので、次で詳しく説明します。
家族間での等級引継ぎ(継承)は続柄と同居が条件
等級は、家族・親族であれば必ず引き継ぐことができる、というものではありません。
以下の図表で、等級を引き継げる親族について確認しましょう。
| 続柄 | 〇可能/×不可能 |
|---|---|
| 同居の子供 | 〇 |
| 別居の子供 | × |
| 同居の親戚 | 〇 |
| 別居の親戚 | × |
| 同居の孫 | 〇 |
| 別居の孫 | × |
| 配偶者(内縁含む) | 〇 |
| 配偶者と同居の親族 | 〇 |
家族間の等級引継ぎにおいては、配偶者であること、及び記名被保険者と「同居していること」が条件となります。また、等級の引継ぎが可能な親族の範囲は「6親等以内の血族」および「3親等以内の姻族」となります。
自動車保険の等級の引継ぎ方法
自動車保険の等級の引継ぎは、ケースごとに手順が異なり、大きく以下の4つに分けられます。
- ・他社の保険に切り替える場合
- ・買い替えで車を入れ替える場合
- ・家族間で等級を引き継ぐ場合
- ・家族間で車を譲る場合
ここでは、それぞれのケースについて、説明していきます。
他社の保険に切り替える場合
現在の自動車保険とは異なる保険会社に切り替える場合は、以下の手順で等級の引継ぎが可能です。
- 1.新たに契約する保険会社を決定する
- 2.新しい保険会社との契約手続きを行う(契約時には、車検証、運転免許証、現在契約している自動車保険の保険証券が必要)
- 3.現在契約している保険会社に解約の連絡を入れる(満期での乗り換えなら基本的に連絡は不要であるが、自動継続特約がついている場合は解約の連絡が必要なので要確認)
等級の引継ぎにおいて注意したいのは、「2.新しい保険会社との契約手続きを行う」際に、切り替え先の契約開始日と、現在契約している保険会社の解約日(満期日)を7日以内に行う必要がある、という点です。先述にもある通り、満期日の翌日から7日以内に次の保険に加入していない場合は等級の引継ぎができないため、もし7等級以上だったとしても、再び6等級からのスタートとなります。なお、事故などを起こして1~5等級になっている場合は、満期日から始期日が8日間以上経っていても、13ヵ月間はリセットされることがありません。
また、満期よりも前に保険を切り替えた場合も注意が必要です。もちろん、この場合も等級の引継ぎはできますが、等級は保険の満期日までに事故があったかどうかを判断して決まるので、満期日を待たずに新しい保険に切り替えた場合、次に等級が上がるのは、”新しい保険の契約“から1年後になります。つまり、満期日をもって切り替えるよりも等級が進むのが遅くなってしまいます。途中で他社の保険に切り替える場合は、この点も十分に注意しましょう。
買い替えで車を入れ替える場合
車を買い替えた場合も等級の引継ぎは可能ですが、その際は「車両入替」と呼ばれる手続きが必要です。
以下、インターネットでの手続きを例に手順を確認してみましょう。
- 1.契約者ページにアクセスし、車両入替(契約車両変更)の手続きを開始する
- 2.積算距離(オドメーターの値)、車検証の記載情報(登録ナンバーや初度登録年月、型式、車台番号、所有者等)、変更日などの必要情報を入力する
- 3.契約変更後、差額保険料の支払い/返金の手続きを行う
もし、車両入替をせずに自動車保険の新規契約をしてしまうと、等級が引継がれないだけでなく、事故を起こした際に補償されないおそれもあるため、ご注意ください。
家族間で等級を引き継ぐ場合
家族間で等級を引き継ぐケースのうち、同居する子供が自動車を初めて購入し、これから自動車保険に加入する際の引継ぎの手順は以下のとおりです。
- 1.納車日を確認し、可能であれば車検証を用意する
- 2.保険会社に「新車に車両入れ替えしたい」と伝える
- 3.保険名義と記名被保険者を「子」に変更する
等級を与えた親が今後車に乗らない場合は、上記3ステップで終了となります。一方、等級を与えた親が引き続き車に乗る場合は、親の車に対して新規で保険を契約しなければなりません。なお、条件を満たせば「セカンドカー割引」などの制度が適用になり、7等級からスタートできる可能性もありますので、併せて確認しましょう。
家族間で車を譲る場合
同居する子供が親から車を譲り受けるケースでは、名義変更によって等級の引継ぎができます。以下、手続きの手順をチェックしましょう。
- 1.車両の名義を変更する
- 2.保険契約者(保険料の支払い義務がある人)の名義を変更する
- 3.記名被保険者を変更する
車の所有者とともに、車を運転する人、つまり記名被保険者を変更することで、等級の引継ぎを受けることができます。なお、車両の名義変更の際には車検証の用意もお忘れなく。
自動車保険の等級の引継ぎができない場合もある
自動車保険の等級は、上記で紹介したような条件を満たしていても、以下のようなケースでは引継ぎができません。
- ・一部の共済と民間保険会社間での等級引継ぎ(一部で等級引継ぎが不可)
- ・保険料の滞納などで保険会社から契約解除された場合の等級引継ぎ
- ・個人・法人間の等級引継ぎ(条件を満たす場合のみ等級引継ぎ可)
- ・自動車・バイク間の等級引継ぎ
- ・セカンドカーに対する等級引継ぎ
- ・適切なタイミングを逸しての等級引継ぎ
等級の引継ぎで保険料の割引率が変わる例
ここでは高い等級を持つ親から、等級の低い子供へ等級を引き継いだ場合、どのように割引率が変わるのかをご紹介します。例として、初めて自動車保険に加入する子供と、16等級の自動車保険に加入している父親を例に、等級を引継いだ場合とそうでない場合の割増引率を比較します。
| 新規加入の場合 | 等級を引継いだ場合 | |
|---|---|---|
| 新規加入・6等級・全年齢補償 | 無事故・16等級・全年齢補償 | |
| 保険料の 割引率 |
-19% | -52% |
上記の通り、等級の引継ぎにより割引率が大きく変わります。これによって、子供の保険料が安くなることが分かります。
2台目の等級引継ぎはできる?
今まで乗っていた車を手放して、新しい車に乗り換える場合は、等級の引継ぎができます。一方、1台目の車に加えて2台目を購入する場合は、2台目に対して新たに自動車保険に加入する必要があります。
なお、一定の条件を満たしていれば、2台目の車に「セカンドカー割引」を適用することで、7等級からスタートすることもできます。1台目と2台目の保険会社が異なる場合も適用することができます。
その他契約変更のケース
最後に、個人と法人の間における等級引継ぎについて見ておきましょう。
・個人から法人へ
個人事業主の方が法人化する場合など、自動車保険の契約を個人から法人に切り替えたいというケースもあるでしょう。このような場合、事業内容が変わらないなどの一定の条件を満たしていれば、記名被保険者を変更し、等級の引継ぎをすることができます。
なお、法人向けの自動車保険では、個人向けの自動車保険とは補償等が異なる場合があります。また、法人契約を扱っていない保険会社の場合は、契約の切り替え自体ができません。等級の引継ぎができる条件や法人保険の加入条件等については、必ず保険会社に確認しましょう。
・法人から個人へ
法人を解散して個人事業主となり、自動車保険の契約を法人から個人に切り替えたい、といったケースはどうでしょうか。
この場合も、等級の引継ぎは可能ですが、法人を解散すること、法人解散後も事業を継続することが条件とされています。仮に法人を解散して個人事業主になっても、事業を継続しない場合は等級の引継ぎはできず、新規で保険に加入しなければなりません。
まとめ
自動車保険の等級は、保険会社間や家族・親族間で引き継ぐことにより、保険料を抑えることができます。
家族・親族から等級を引継いでもらう場合は、内縁関係を含む配偶者、及び同居する記名被保険者であることが条件です。
また、保険の切り替え・継続に際しては、保険解約日(満期日)の翌日から7日以内に次の契約を開始し、等級を引き継ぐタイミングを逃さないように注意しましょう。
※本記事に登場する保険料はあくまでもシミュレーションです。保険料は年齢や車種、特約の有無など諸条件に応じて変化します。
※上記は概要を説明したものです。引受保険会社により、商品名や補償内容等は異なりますので、ご契約にあたっては必ず「各社商品パンフレット」および「重要事項のご説明・契約概要のご説明・注意喚起情報のご説明」をあわせてご覧ください。
また、詳しくは「ご契約のしおり(普通保険約款・特約)」等をご用意していますので、取扱代理店または引受保険会社までご請求ください。ご不明な点につきましては、取扱代理店または引受保険会社までお問合わせください。
![]()
- ※自動車保険に加入中の方は保険証券・免許証を、未加入の方は車検証・免許証をご用意ください。
- ※現在の保険契約の満期日まで、1日以上90日未満の方が見積もり依頼の対象です。
- ※お取り扱いできない契約もございます。詳細はページ下部をご確認ください。
- ※法人・営業用はこちら/バイク保険はこちら
このページを読んだ人は次のページも読んでいます
事故有係数適用期間とは?自動車保険のノンフリート等級制度についてわかりやすく解説
事故を起こして自動車保険を利用すれば、翌年度から等級が下がって保険料が高くなります。1等級から20等級までの等級区分によって保険料が変わる保険料割増引制度を「ノンフリート等級制度」と呼び、保険会社にかかわらず、すべての自動車保険の保険料算出に導入されています。 等級が上がるほど安全運転と見なされ、保険料は安くなります。なお、同じ等級でも、事故歴がある場合は事故無しに比べて保険料はアップします。 事故有の等級が適用される期間のことを、「事故有係数適用期間」と言います。今回は、保険料を左右する「事故有係数適用期間」について、わかりやすく解説します。
続きを読む
事故で自動車保険を使用するとどのくらい等級が下がるのか解説
自動車保険の「等級」とは、事故歴に基づいて保険料の割引率・割増率を決めるしくみのことを言います。個人が加入する自動車保険では、「ノンフリート等級制度」が適用されており、単に「等級」とも呼ばれます。
等級には、事故の有無が大きく影響します。つまり、事故の有無が、保険料に大きく影響するということでもあります。
今回は、事故を起こした場合に等級がどう変わるのか、等級に影響する事故とはどのようなものなのか、また等級によって保険料の割引率がどう違うのかなど、事故と等級の関係について詳しく説明します。
台風による車の被害は車両保険の補償対象になる?等級はどうなるの?
日本では、夏から秋にかけて台風が何度も接近し、大雨や暴風によって洪水や河川の氾濫、土砂崩れなどが発生しやすくなります。特に近年、災害の規模が大きくなっていることは周知のとおりです。もしかしたら自分の大切な愛車が水没したり、飛来物が当たって損害を受けたりする可能性も考えられます。
自動車保険の補償の1つである「車両保険」は、車同士の衝突だけでなく、台風や大雨、竜巻、洪水、雹などによる損害も補償対象です。
この記事では、台風による損害で車両保険の補償が適用される例や、補償対象外となるケース、車両保険を使った場合の等級への影響などを詳しく解説します。
自動車保険の3年契約はお得なのか解説|長期契約のメリット・デメリットも紹介
自動車保険は、一般的に1年ごとに更新を繰り返していきますが、2年契約や3年契約といった複数年の長期契約に対応する自動車保険もあります。長期契約の自動車保険は、1年契約の自動車保険と比べて、保険料などの面でどのような違いがあるのでしょうか。ここでは、長期契約の自動車保険についての概要を押さえた上で、メリット・デメリットを中心に紹介します。
続きを読む
自動車保険の等級とは|等級の調べ方や割引率、下がる要因などを解説
自動車保険の割引率に大きく影響する「等級」。自動車保険を契約しているが、等級がどのように決定され、どのような割増引率となるのか、実はよく知らないという方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、個人向けの自動車保険に設定されている「ノンフリート等級」について解説します。等級の引継ぎについても簡単にご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。














